僕は人間の弱い部分を知っていた。

自分がとても弱い人間だったから、どこをどう揺さぶれば心が揺れるのか熟知していた。

少し揺さぶり、よろけてこけそうになったところを、そっと優しく支えてあげればそれでよかった。

僕があのときや、あのときに、そうして貰いたかったことを再現すれば良いだけだった。